2週間前の木曜のこと。
下の子がプリに行くようになって、やっと時間ができたので、歯医者に検診に行きました。
1時間半後に終わって電話を見ると、見知らぬ番号から着信と留守電が。
とりあえず留守電を聞いてみてびっくり仰天。
「IRS(税務局)の調査部からの電話です。 あなたを脱税の容疑で調査しています。 1月に送った勧告書に反応がなかったので、これから警察に連絡してあなたを逮捕する手続きをとります。」
ひーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!
はーーーーー????????????????????
全く身に覚えのないことを言われ、顔から血の気が引いていくのを感じました。
あわててその電話番号にかけ直す。
私の名前を言うと、相手は住所を知っている。
「そんな手紙届いてないし、毎年きちんと税金を納めている。
何年の、どの雇用主からの収入が問題なのか教えてください。」
とこちらがもっと詳しい具体的な内容を聞こうとしても、
「それはもう文書で郵送している。 あなたが警察に捕まった後の裁判に影響するから、この電話では言えない。」 と言われ、
「じゃぁ、本当に脱税しているのが私かどうか確かめたいから、私のSSN(社会保障番号)を言ってください。」
と脱税容疑をかけられているのが本当に私なのか確かめようとすると、
「この電話は録音されていて、裁判のときにこの会話を流すから、プライバシーの保護のこともあり、SSNは言えない。 とにかくあと45分で警察があなたを逮捕しに来ます。」
でも私は必死に、「私は法を犯すような人間ではない。 神に誓ってその文書をもらっていないし、全く身に覚えが無い。 警察に逮捕されないように何か他に手立てはないのか?」 と聞くと、
向こうは、「じゃぁ上司に電話をつなぎます。」
上司が出る。 「先ほどAttorney Generalと話しをして、もう逮捕状を手配する用意はしています。 でも、そんなに身の潔白を訴えるなら、犯罪歴等のチェックをしてみます。」
待たされること数分。
「犯罪歴も何もないことがわかったから、3971ドル(約40万円)の追徴金を払えば警察沙汰にはしません。」
と、また払える金額を言ってくるもんだから
私は「じゃぁそれはどうやって払えばいいの? 小切手をどこに送ればいいの?」と聞くと、
「銀行にまず行って現金を引き落とした後に指示する。」とまるで誘拐の身代金を渡す取引のようなセリフ。
「オッケー。 銀行に行けばいいのね。 その前に、あなた本当に税務局から? 職員番号とか本当に税務局に所属している証拠はあるの?」と相手の身元確認をしようとすると、
「僕の身分を疑っているなんて心外だ! とても腹立たしい!」と 怒り出す。
しまいには「この電話を切ると警察にすぐ連絡するから。」と脅しがきつくなる。
家にいたなら、コンピューターでこんなことがありえるのかちゃちゃっと調べれたところだけど、歯医者の前の駐車場の車の中でこんな電話してるもんだから、近くにパトカーが来てないかどうかビクビク。 なんせ相手は私の住所を知ってますから。(→車のプレートとかもすぐ調べられるはず)
途中で誰かからテキストと電話がかかってきたけど、それを知らせる音を聞いて「その電話とるんじゃないぞ」 と言ってくるもんだから、スマホだけど、下手にインターネットで調べててそれがばれたら恐ろしいのでしませんでした。
幸か不幸か、こんな納税問題に今まで関わったことがないから、これが正当なやり方か不確かで、本当に脱税疑惑がかけられているならマジやばいと思い、言われるがまま銀行に向かう。
だって、このまま逮捕されたら、子供たちはどうなるの?
夫と子供たちに会うことなく日本に強制送還されてしまうんじゃないか。
(夫がいない日だったので)とりあえず、今ともだちのご主人が家を買うためにこっちに来ている。 なんとかして彼にテキストを送って子供たちのことだけでもお願いしなければ。
さらには、グランドキャニオンに行っておけばよかった。 アリゾナの国立公園とかも行けずじまいだった。 2ヶ月前に新居に引っ越してきたのに、もうあの家に住むことはないのね。 なんかもっといろいろやっておけばよかった。 15年のアメリカ生活がこんなにあっけなく終わるなんて・・・と走馬灯のように想いがよぎりだす。
そんな私の悲壮な気持ちなんぞ全く知らん男は、銀行へ行く運転中も、「まだか? あと何分で着くのか? 絶対に電話を切っても、ミュート(無音)にしてもダメだぞ。」と言ってくる。
銀行に着いて車を停めたけど、エンジンの音が止まったのに向こうは気づいてない様子。
そこで私はかばんの中にあったペンと紙切れで、銀行の人へのメッセージを書く。
「助けて!
IRSのACS調査部門って知っていますか?
今IRSの人間だという男が電話の向こうにいて、現金を今すぐ下ろさないと警察が私を逮捕すると脅しています。 私は詐欺だと思うのですが・・・。 」
そのメッセージを読んだ銀行員の人、インターネットで調べてくれて、そんな部門はなさそうだと教えてくれました。
そして、IRSは、納税問題が発覚すると口座に即座に制約をかけるらしいです。
で、もちろんそんな制約は私の口座にあるわけもなく。
そしてその銀行員の人は、「私の父のことでIRSといろいろあったけど、こんないきなり電話してきてすぐ逮捕に発展することはないわ。」とかなり安心できることを言ってくれました。
さらに、「本当にIRSならどこに私のお金があってどうやって取り押さえるか知っているはずから、これ以上話すことはない。」と言って電話を切ったらいいとアドバイスもくれました。
詐欺だとほぼ確定し、涙が出るくらいホッとしました。
銀行員の人、本当にありがとう。 救われました。
で、強気になった私は何も言わずに電話を切りました。爆
すると即かけ直してきて、私はわざと電話に出て
「ごめんなさい。 手がすべって切ってしまったわ。」 とうそも方便。
相手は怒っています。
そしてアドバイスをもとに、
「500ドル(5万円)以上は現金をおろせないと言われた。 それに、あなたが本当にIRSならどこに私のお金があるか知っているはず。」と言うと、
「もう1時間半以上も電話で話しているのにお金を渡せないなら、今警察から電話がかかるはず。」と相手が言い終わらないうちに
発信元不明の電話がかかってくる。
この時点で詐欺だと99%確信しているし、
アメリカでそんなコーディネーションがいいわけないので、
警察に見せかけた電話は無視して私は帰宅。
5-6回かけてきました。
留守電も残っていたけど、証拠のために保存はしてるけど聞いてません。
郵便局のせいで大事な書類が届かなかったために逮捕されると真剣に心配で心底ビクビクしていたから、なんか怖さが後を引き、帰宅しても気持ちが落ち着くのに時間がかかりました。
とりあえず、うちの地域の管轄の警察に電話して脅迫電話の内容を話し、脱税でいきなり逮捕されるようなことがあるか確認しました。
そこのおばちゃんとっても優しかった。
「納税問題でそんなすぐに逮捕状が発行されることはないわよ。 それはあなた確実に詐欺よ。 SSNを言わなかったり現金を渡さなくて本当にえらかったわね!」
やっと安心してじわじわ~と力が抜けました。
その後、警察官からも電話がかかってきて、また同じように電話の内容を話し、男の電話番号を渡し、「納税問題で逮捕に発展しないから大丈夫。」とお墨付き(?)をもらいました。
めちゃめちゃ心理的に振り回された2時間だったわ。
刑務所がちらついていたので、平凡な日々のありがたみが身にしみました。
そして、オレオレ詐欺とかにひっかかる人の気持ちがよくわかりました。
ものすごい現実味のある巧妙な手口なんで、みなさんも気をつけて。
6 件のコメント:
この手の詐欺はアメリカ全土にひろまっているのでしょうか? 実は私もメリーランド州の自宅の留守電に同じようなメッセージがあり、ギョッとしたのですがすぐにいつも頼んでいる税理士さんに電話して事なきを得たのです。
それにしてもずっと電話で脅迫され続けたなんて本当に寿命が縮まる怖さですよね。 この情報を公開してくださって本当にありがとうございました。もう二度とこんなことが起きませんように!!
コメントありがとうございます!
私の携帯はカリフォルニアの番号なので、詐欺グループは、手に入れた番号はどれでもかけてるみたいです。
確認できる税理士さんがいてよかったですね!
このブログに書いたときのはコネチカットの番号で、つい数日前と今日はニューヨークの番号からかかってきました。 さすがに数日前と今日は「ハイハイ、ひっかかりませんよ」と余裕の心で留守電メッセージを削除しました。
どこから電話番号が漏れるんでしょうね。(ため息)
差別的になるつもりはないけど、しいて言えば、3回ともインド英語でした・・・。
ヒヤヒヤしたねー日本ではこの手の詐欺は多いから
最近は携帯を持って、話しながらATMの前で操作していたら銀行や郵便局員が、気にしてくれるよ
かかった電話に掛け直したのがそもそも相手の思う壷だったね〜
お疲れ様💦身体からその瞬間、mgがどっと減ったと思うよ、足がつったりしないように補給しとくといいね❤母
普通はね、知らない電話番号に出たり、セールスとかの留守電にかけなおしたりしないんやけど、このときは本当に巧妙な言い回しでまんまとひっかっかったわ。
小切手じゃなくて、現金をおろさないといけないっていうところで、日本のオレオレ詐欺とかラインの詐欺を思い出して怪しいなと感じて結果よかったわ。
本当に恐ろしいですね。。相手の要求を呑まずに銀行員の人の助けを求められたYokoさん、素晴らしいです>< 私も何かあったら見習います(出来るかな。。)
ちなみに、納税の話ではないのですが、I-94に絡んだ話で似たような話を私の夫からも聞いたことがあります。
夫の会社の同僚(?)の人が同様の電話を受け取っていたみたいで。
本当おそろしいですね。。
>Kumiさん
最近はイミグレ関係でも詐欺があるんですね。
あれから未だに知らない番号から電話かかってきます。 もちろん無視ですけど。 一度リストに載ってしまったら大変です。
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