4/17/2011

膀胱がいっぱいだとよい判断ができる?

世の中にはたまにとっぴもない研究をする人がいる。

オランダのある心理学の助教授が、コーヒーをけっこう飲んだ後に講義を行っていて、「膀胱がいっぱいのときの人間の心理」が気になり始めたらしい。

それを実際に実験にしてみたそうです!(Discovery Magazineブログの英語の記事)

その実験とは,
グループ1) 5杯の水を飲む
グループ2) 5杯のコップそれぞれから、ちょっとだけ水を飲む

そして、40分後(注1)に、目先の報酬・楽しみ(例:明日16ドルをもらえる)か、長期的でもっと大きい報酬・楽しみ(例:1ヶ月後に30ドルもらえる)かを選ばせるいろいろな質問をしました。

結果
5杯の水を全部飲んだグループの方が(統計的に)、長期的でより大きい報酬を選ぶ傾向がみられたそうな。


その助教授曰く、「脳の一つの部分(注2)がさまざまな制止・抑制する心理的行動をコントロールしている。 だから、一つのことを抑制しようとしているときには、(その脳の部位が活性化して)他のことにも影響する。 つまり、膀胱の状態(=尿意を抑制)をコントロールできる人は、尿意に無関係なことも制御しやすくなる。
とまとめたそうです。


私としては、トイレに行ってから重大な決定を落ち着いてしたいと思うけれど。
それと、ただ単に、尿意を我慢できる人はもともと我慢強いから、目先の報酬に走らずに、少し時間がかかっても楽しみが大きい方を選ぶんじゃないかと・・・。

まぁこの実験は、ただ単に膀胱と他の自制行動の因果関係を提示したわけであって、今後の研究へつながる内容。
これはfMRIで脳を実際にみてみるしかないですな。

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注1) なぜわずか40分後か? 心理学の実験は被験者に1時間単位で謝礼を支払うか、Psychology 101(心理学入門コース)の学生に5時間分くらいの実験参加を義務付けている大学が多々。 こういう実験だと、たぶん予算低いし(笑)、1時間だと、多くの学生にすぐ参加してもらえる。 恐らくそういう関係で、実験を1時間以内に終わらせるようにデザインしたのでしょう。

注2) 一般的にprefrontal cortex(前頭前皮質)がいろいろな判断、制御をつかさどります。 この部分は他より成長がゆっくりだから、子どもは大人のように正確な判断ができないわけ。
何らかの形で脳の前方にダメージを受けた人の性格が変わったりするのはこのせいです。

3 件のコメント:

KMC さんのコメント...

タイトル見た時、妊娠何週目だか(もう忘れた)にやるウルトラサウンドの事を書いているのかと思ったら全然違った。さすが学者ようこ。笑

しかもなぜ40分後かという分析まで!

st さんのコメント...

 私の場合は、トイレに行きたく無くても、30ドルの方を選ぶけどね。だいたいの人は、30ドルだよね?

y 0 k 0 さんのコメント...

@KMCさん
確かに、超音波のときは水分たくさんとっていたほうがいいって言われたことあります。 早いもので28週目。

@stさん
そうですよね、普通たくさんもらえるほうを選びますよね。 この実験ちょっとデザインがまずかったかも。